- Anthropicが公式学習サイト「Claude Academy」を無料公開
- 教材は「製品別」と「AIの基礎」の2系統
- 5製品のうち中小企業の非エンジニアに関係するのは3つ
- 最初に見るのは7分のチュートリアル
- コースの中身は英語表示(編集部で実測)
- 社内研修の教材として使うときの注意点
AIツールの使い方を社員に教えたいけれど、何を教材にすればいいか分からない。この相談は地域の勉強会でも毎回出ます。2026年8月20日(現地時間)、Anthropicが公式の学習サイト「Claude Academy」を無料で公開しました。作っている会社自身が出している教材なので、内容の正確さという点では今のところ一番確かな選択肢です。
ただし、開いてすぐ「これを社員に見せればいい」とはなりません。用意されているのは開発者向けの教材と、業務で使う人向けの教材が混ざった状態です。この記事では、編集部で実際にサイトを開いて確かめた内容をもとに、中小企業の立場でどこから見ればよいかを整理します。
公開の事実と「無料」「日本語対応」の記載は ITmedia AI+「「Claudeの使い方」を無料で学べる公式サイト登場 「Code」「Cowork」などサービス別に解説」(2026年8月21日)を参照しました。教材の構成・所要時間・表示言語・サインインの要否は、2026年8月24日に編集部が https://academy.claude.com/ を実際に開いて確認した内容です。サイトは更新されるため、見る時点の表示を優先してください。
ICHI.へ相談する何が公開されたのか
Claude Academy(https://academy.claude.com/)は、Claudeを作っているAnthropicの公式学習サイトです。教材は大きく2系統に分かれています。ひとつは「製品の使い方」、もうひとつは「AIそのものの扱い方」です。この2つを区別しないまま眺めると、自分に関係ない教材まで目に入って迷います。
教材は2系統に分かれている
- Claude.ai / Cowork / Code
- Claude Tag / Claude Platform
- 使うツールが決まってから見る
- AI Fluency(AI活用力)3本
- できること・できないこと
- ツールに関係なく先に効く
結論を先に言うと、中小企業でこれから社員に教えるなら、先に見るべきは右側の「AIそのものの扱い方」です。製品の教材は、使うツールとプランが決まってからでないと身につきません。
5つの製品教材のうち、非エンジニアに関係するのは3つ
製品別の教材は5つ並んでいます。名前だけだと違いが分かりにくいので、誰向けかを添えて整理します。
製品別教材と、中小企業での見どころ
- サイトの説明
- 会話を通じて問題を考え、文書を作成し、データを分析する方法
- 誰が見るか
- まずここ。事務・営業・現場の全員が対象
- サイトの説明
- タスク全体を引き渡して完成した成果物を受け取る方法
- 誰が見るか
- 次はここ。作業をまとめて任せたい管理者
- サイトの説明
- チームのチャンネルにタグ付けして作業を割り当てる方法
- 誰が見るか
- チャットで仕事を回している会社なら
- サイトの説明
- ターミナル・IDE・ブラウザでビルド、デバッグ、リリースする方法
- 誰が見るか
- 開発担当がいる会社だけ
- サイトの説明
- API・Claude Console・MCPで自社製品に組み込む方法
- 誰が見るか
- 開発担当がいる会社だけ
| 教材 | サイトの説明 | 誰が見るか |
|---|---|---|
| Claude.ai | 会話を通じて問題を考え、文書を作成し、データを分析する方法 | まずここ。事務・営業・現場の全員が対象 |
| Claude Cowork | タスク全体を引き渡して完成した成果物を受け取る方法 | 次はここ。作業をまとめて任せたい管理者 |
| Claude Tag | チームのチャンネルにタグ付けして作業を割り当てる方法 | チャットで仕事を回している会社なら |
| Claude Code | ターミナル・IDE・ブラウザでビルド、デバッグ、リリースする方法 | 開発担当がいる会社だけ |
| Claude Platform | API・Claude Console・MCPで自社製品に組み込む方法 | 開発担当がいる会社だけ |
下2つ(Claude CodeとClaude Platform)は、社内にプログラムを書く人がいない会社には要りません。ここを飛ばすだけで、見る量は半分以下になります。三河の製造業や建設業で「まず事務作業から」という段階なら、Claude.aiの教材だけで十分です。
AIの基礎は3本。最初に見るのは7分のもの
もうひとつの系統が「AI Fluency(AI活用力)」です。ツールの操作ではなく、AIに何を任せて、出てきたものをどう確かめるかを扱います。3本あり、長さがまったく違います。
AI Fluencyの3本(2026年8月24日時点の表示)
- 形式・長さ
- チュートリアル・7分
- 中身
- AIが得意な場面と限界がある場面を手早く見るガイド
- 順番
- 1番目。7分で終わる
- 形式・長さ
- コース・13レッスン+クイズ・3.5時間
- 中身
- 大規模言語モデルにできること・できないこと(知識、作業メモリ、指示への従い方、扱える情報量の限界)
- 順番
- 2番目
- 形式・長さ
- コース・14レッスン+クイズ・4時間
- 中身
- 4Dフレームワーク(委任・記述・評価・責任)でAIと協働する方法。修了バッジあり
- 順番
- 3番目
| 教材 | 形式・長さ | 中身 | 順番 |
|---|---|---|---|
| AIの4つの特性 | チュートリアル・7分 | AIが得意な場面と限界がある場面を手早く見るガイド | 1番目。7分で終わる |
| AIの能力と限界 | コース・13レッスン+クイズ・3.5時間 | 大規模言語モデルにできること・できないこと(知識、作業メモリ、指示への従い方、扱える情報量の限界) | 2番目 |
| AI活用力:フレームワーク&基礎 | コース・14レッスン+クイズ・4時間 | 4Dフレームワーク(委任・記述・評価・責任)でAIと協働する方法。修了バッジあり | 3番目 |
いきなり4時間のコースを社員に渡すと、まず終わりません。7分のチュートリアルを全員で見て、「AIはこれが苦手なんだ」という共通認識を作るのが先です。そのうえで、社内で教える役の人だけが長いコースに進めば足ります。
長いコースの骨格になっている考え方で、Delegation(何を任せるか)・Description(どう伝えるか)・Discernment(出てきたものをどう見極めるか)・Diligence(結果に責任を持つ)の4つです。社内ルールを作るときの並びとしても使えます。とくに4つ目は、AIの出力をそのまま外に出さないという話に直結します。
ICHI.へ相談する実際に開いて分かった、事前に知っておくべき3点
社員に案内する前に押さえておきたい点を、編集部で実際に触って確かめました。
社員に案内する前に知っておくこと
- 01
トップページは日本語だが、コースの中身は英語で表示された
2026年8月24日時点で、トップページと教材の紹介文は日本語で表示されました。一方、コースの詳細ページに入ると学習目標などが英語表示でした。ITmediaは翻訳機能がα版として備わっていると報じています。英語が苦手な社員に丸投げすると止まります。教える役の人が先に通し、要点を日本語でまとめて渡すのが現実的です。
- 02
サインインは「進捗の保存」のためだけ
コースの詳細ページには「進捗を保存するにはサインインしてください」と表示されます。編集部はサインインせずに内容を閲覧できました。まず中身を見て判断したい段階では、アカウントを作らなくても確かめられます。
- 03
同時に案内されているウェビナーは開発者向けが中心
サイトにはライブウェビナーの案内も並びます。2026年8月24日時点で近い日程のものは、Google CloudやMicrosoft Foundryでの構築・監視といった技術寄りの内容で、いずれも英語でした。中小企業の事務作業から始める段階では見なくてよい枠です。
中小企業が見る順番
ここまでを踏まえた順番です。教材を全部見る必要はありません。
公式教材の使う順番
- 01
「AIの4つの特性」を全員で見る(7分)
AIが得意なこと・苦手なことの共通認識をここで作る。朝礼や部会の時間で足ります。
- 02
Claude.aiの製品教材を、実際に使う人が見る
文書作成やデータ整理の基本操作。ここまでで日常業務は始められます。
- 03
社内で教える役の人だけ、長いコースに進む
「AIの能力と限界」(3.5時間)と「AI活用力:フレームワーク&基礎」(4時間)。社内ルールを作る担当と重ねると効率がよいです。
- 04
作業をまとめて任せる段階でCoworkの教材へ
個別の依頼に慣れてから。順番を飛ばすと、任せる範囲の判断ができません。
これだけでは足りないこと
公式教材で埋まるのは「AIの扱い方」と「操作」です。埋まらないのは「自社のどの業務に当てるか」と「何を入れてよいか」の2つです。前者は自社の業務を棚卸ししないと決まりません。後者は会社としてのルールの話で、教材には自社の事情は書かれていません。
とくに後者は先に決めておく必要があります。学習と並行して業務データを入れ始めると、ルールが無いまま実データが流れます。勤務先で使う場合は、必ず上長・会社の確認を取ってください。何を入れてはいけないかは別記事にまとめています。
教材を配る前に「入れてはいけない情報」を先に共有してください。個人情報・取引先の機密・自社の営業秘密・認証情報・他人の著作物の5つです。詳しくは「AIに入れてはいけない情報チェックリスト|社内ルールの作り方」で解説しています。
ICHI.へ相談する明日からできること
- https://academy.claude.com/ を開き、「AIの4つの特性」(7分)を自分が先に見る
- 見終わったら、部会や朝礼で全員に同じ7分を共有する日を決める
- Claude CodeとClaude Platformの教材は、開発担当がいなければ案内しない
- 教材を配る前に「入れてはいけない情報」を口頭で共有する
- 長いコースは、社内で教える役の人1名に絞って進めてもらう
参考情報(一次情報)
- Claude Academy(Anthropic公式): https://academy.claude.com/
- ITmedia AI+「「Claudeの使い方」を無料で学べる公式サイト登場 「Code」「Cowork」などサービス別に解説」(2026年8月21日): https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2608/21/2000000672/
教材の構成・所要時間・表示言語は2026年8月24日に編集部が確認した時点のものです。サイトは更新されるため、実際に開いた時点の表示を優先してください。自社の業務に合わせて何から始めるかを一緒に整理したい場合は、運営元の合同会社ICHI(愛知県豊川市)へご相談ください。
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