AIツール活用術

AI議事録の始め方|安全なツール選び

2026-06-18読了 約8MIKAWA AI PICKS編集部
AI議事録の始め方|文字起こし・要約の手順と安全なツールの選び方のサムネイル
画像は生成イメージです。
この記事でわかること
  • AI議事録の基本的な流れ
  • 録音前に参加者と確認すること
  • 文字起こしから決定事項を抽出するプロンプト
  • 建設業・医療福祉・士業ごとの確認項目
  • 個人情報・秘密情報を入力する前のチェック
  • AIの出力を人が確認して共有する方法

会議の内容を記録しても、文字起こし、要約、決定事項の整理、関係者への共有までには複数の工程があります。AIはこのうち、文字起こし済みテキストを一定の形式に整理する下書き作業で利用できます。

ただし、会議を無断で録音したり、顧客名・患者情報・取引条件を組織未承認の外部AIへ貼り付けたりしてよいわけではありません。この記事では、録音前の確認から文字起こし、AI要約、決定事項の抽出、人による確認と共有までを5ステップに分けて説明します。

▲ 議事録整理の5ステップ全体像

議事録整理をAIで試しやすい理由

議事録整理がAI活用の最初のステップとして向いている理由は、「インプットが明確で、アウトプットも明確」だからです。AIが苦手なのは「何が正解かわからない判断」です。議事録は逆で、「この会話から要約と決定事項を取り出す」という作業の型がはっきりしています。

  • インプット(入力): 会議の音声・文字起こしテキスト — 素材が毎週確実に発生する
  • アウトプット(出力): 要約・決定事項・担当者・期日 — 何が必要かが決まっている
  • AIへの依頼文(プロンプト): 一度作れば使い回せる — 毎回考え直す必要がない
  • 効果の確認: 整理に時間がかかっていた作業を短縮できたか、やってみればすぐ分かる

導入前後で、文字起こし後の整理時間、修正した箇所、決定事項の抜けを記録すると、自社で使い続ける価値があるか判断できます。まずは機密性の低い社内会議1件で試し、人による確認を含めた運用手順を決めてから対象を広げてください。

5ステップ: 録音準備から共有まで

議事録整理の5ステップ

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    ステップ1: 録音目的と参加者の同意を確認する

    録音を始める前に、議事録作成のために録音・文字起こしを行うこと、データの保存先、共有範囲を参加者へ伝えます。勤務先や取引先に録音・外部サービス利用の規定がある場合は、その規定と管理者の判断を優先してください。

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    ステップ2: 承認済みの方法で文字起こしする

    会議システムのトランスクリプト機能、端末の録音・文字起こし機能、会社が承認した議事録サービスなどから方法を選びます。利用可否や対応端末はサービスごとに異なります。文字起こしの誤変換をAIが正しく補えるとは限らないため、固有名詞、数字、期日、否定表現は元の音声と照合します。

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    ステップ3: 入力前に機密情報を確認して要約する

    組織が利用を認めたAIサービスとアカウントを使います。個人情報や秘密情報を含む場合は、利用目的、第三者提供、サービス側のデータ利用条件を確認し、不要な固有情報を削除・置換します。「どんな会議か」「何を取り出したいか」を添えて要約を依頼します。

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    ステップ4: 決定事項・アクションアイテムの抽出

    要約とは別に、「誰が・何を・いつまでに」という決定事項とアクションアイテムを箇条書きで取り出します。これが議事録の核心部分です。ステップ3と同じプロンプトにまとめて依頼することもできますが、要約と決定事項を分けて依頼するほうが、それぞれの精度が上がる傾向があります。

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    ステップ5: 関係者への共有

    取り出した要約・決定事項・アクションアイテムを、人が元の記録と照合します。特に担当者、金額、期日、合意していない提案が決定事項として混ざっていないか確認します。確認後、会社が認めたメールやチャットで必要な関係者だけに共有します。

議事録要約プロンプト例(コピーして使える)

以下のプロンプトは、会議の文字起こしテキストを貼り付けた後に使える基本形です。会議の種類や用途に合わせて「会議の種類」「参加者構成」「特に重要な項目」の部分を書き換えてください。

基本の議事録要約プロンプト
以下は会議の文字起こしです。

【会議の種類】(例: 現場進捗会議、多職種カンファレンス、顧客打ち合わせ)
【参加者構成】(例: 現場監督2名・職人3名、施設長・看護師・PT・ヘルパー、担当弁護士・顧客)

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(ここに文字起こしテキストを貼り付ける)
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上記の文字起こしから、以下の形式で整理してください。

1. 会議の要約(3〜5行)
2. 決定事項(箇条書き、できれば「誰が・何を・いつまでに」の形で)
3. 次回までに確認・検討が必要な宿題事項
4. 特に重要な情報(懸念点・リスク・期日が迫っているもの)

文字起こしにない内容は推測で補わず、「要確認」と記載してください。
担当者・金額・期日・固有名詞は、根拠となる発言が不明確な場合に確定しないでください。

【形式を示すための架空の出力例】以下は実在する企業や会議の事例ではありません。AIが返す形式と、人が確認すべき箇所を示すために編集部で作成した例です。

出力例(建設業・現場進捗会議の場合)
【会議の要約】
〇月〇日の現場進捗会議。A棟基礎工事は予定より2日遅れ。原因は資材搬入の遅延。B棟は工程通り進行中。次回工程会議までに搬入スケジュールの再調整が必要。

【決定事項】
・担当者:搬入業者へ翌日中に連絡 → 期日:翌日17時まで
・担当者:A棟の工程を3日単位で見直し、修正工程表を提出 → 期日:〇月〇日
・全員:B棟への資材先行搬入を〇月〇日に前倒しで実施

【次回までの宿題事項】
・修正工程表の関係者共有
・A棟遅延の追加費用発生有無の確認

【特に重要な情報】
・A棟の2日遅れが累積すると竣工日に影響する可能性あり(要注視)
・次回工程会議は〇月〇日(〇)10時を仮予定

実際の文字起こしには口語や誤変換が含まれます。AIが文脈から補った内容が正しいとは限らないため、元の音声や参加者のメモと照合してください。不明な箇所は推測で確定させず、「要確認」のまま担当者へ確認します。

業種別: 建設業・医療福祉・士業の使い方

議事録整理の5ステップは全業種に使えますが、業種によって「何を優先して取り出すか」が変わります。プロンプトの「特に重要な項目」を業種に合わせて調整するだけで、使い勝手が大きく変わります。

業種別: 議事録AIで重点的に取り出すべき項目

業種会議の種類優先して取り出す情報プロンプトへの追加文例
建設業現場進捗会議・工程確認・安全朝礼工程の遅れ・安全上の指摘・材料の手配状況・次の工程の担当者「安全上の指摘事項と、工程変更が生じた箇所を優先して取り出してください」
医療福祉多職種カンファレンス・サービス担当者会議・申し送り利用者の状態変化・ケアプランの変更点・各職種の対応方針・次回確認事項「ケアプランに関わる変更点と、各職種の対応方針を優先して整理してください」
士業顧客ヒアリング・案件打ち合わせ・税務・法務相談依頼内容・確認が必要な書類・回答保留事項・期日・次のアクション「依頼内容の確認事項と、回答を保留した項目、それぞれの期日を整理してください」
小売・飲食スタッフMTG・仕入れ確認・シフト調整人員変更・在庫・売上・クレーム対応・次の施策「クレーム対応とシフト変更に関する決定事項を優先して取り出してください」

▲ 業種に合わせた「特に重要な項目」をプロンプトに1行追加するだけで精度が上がります。

建設業のAI活用詳細医療福祉のAI活用詳細士業のAI活用詳細も合わせて読むと、各業種の注意点がより具体的に確認できます。

個人情報・秘密情報を入力する前の4項目

議事録には、顧客名・患者名・取引条件・社内の人事情報などが含まれる場合があります。個人情報保護委員会は、事業者が生成AIへ個人情報を入力する場合、利用目的の範囲内か、サービス提供者によるデータ利用がどうなっているかなどを確認するよう注意喚起しています。詳しくは個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起」を確認してください。

  • 録音・文字起こし・外部AI利用について、参加者、勤務先、取引先とのルールを確認する
  • 利用目的に不要な氏名・住所・電話番号・患者ID・契約番号などは、入力前に削除または置換する
  • 個人向けChatGPTでは「Improve the model for everyone」の設定を確認する。Business・Enterprise・Edu・APIは標準のデータ利用条件が異なるため、OpenAI公式データコントロールで利用中のプランを確認する
  • Claudeも個人向けと法人・API向けで条件が異なるため、Anthropic Privacy Centerで利用中の製品に該当する説明を確認する
  • 設定を変更しても、入力が社内規定や守秘義務に適合するとは限らない。判断できない場合は入力せず、管理者・法務・情報管理担当へ確認する
MIKAWA AI PICKSからのご案内

医療・介護の議事録では、単純に氏名を仮名へ置き換えても、年齢、病歴、日時、施設名などの組み合わせから本人を識別できる場合があります。組織が承認した環境と手順がない場合は、外部AIへ入力しないでください。

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NotebookLMとの使い分け

NotebookLMの使い方」記事と本記事の違いは、使う局面です。ChatGPTやClaudeへのコピペ方式(本記事)は、1回の会議を即座に整理したい場合に向いています。NotebookLMは、複数回の議事録を蓄積してから「あの会議で何を決めたか」を検索・比較したい場合に向いています。

ChatGPT/Claude コピペ方式 vs NotebookLM 蓄積方式

観点ChatGPT/Claude(本記事の方法)NotebookLM
向いている使い方今日の会議を今すぐ整理する過去の議事録をまとめて検索・比較する
操作の手間テキストをコピーして貼るだけファイルをアップロードしてノートブックを作る
費用プランごとに料金・入力上限が異なるプランごとに料金・上限が異なる
情報の蓄積履歴・保存設定と利用プランを確認するアップロードした資料をノートブック単位で扱う
データ確認利用中の製品・プランの公式ポリシーを確認するGoogle公式のNotebookLMプライバシー説明を確認する

▲ 「今日の1件を整理」ならコピペ方式、「蓄積して後から引き出す」ならNotebookLMが向いています。

今日から始める: 最小の一歩

NotebookLMでは、アップロード内容やチャットが基盤モデルの直接的な学習に使われる条件と、フィードバック送信時の扱いが案内されています。利用前にGoogle公式「NotebookLMのプライバシーと利用規約」を確認し、組織のルールと照合してください。

最初は、録音・外部AI利用について確認済みの、機密性が低い社内会議1件を対象にします。文字起こしとAIの出力を人が照合し、修正箇所と作業時間を記録してください。その結果を見てから、使用する会議や担当者を広げます。

  • 録音の目的・保存先・共有範囲を決め、参加者と組織のルールを確認する
  • 承認済みの方法で録音・文字起こしを行い、固有名詞・数字・期日を確認する
  • 不要な個人情報・秘密情報を削除し、承認済みAIへ本記事のプロンプトと一緒に入力する
  • 元の記録と照合し、AIが推測した内容や決定事項の抜けを修正する
  • 導入前後の作業時間と修正量を記録し、継続するか判断する
MIKAWA AI PICKSからのご案内

「社内でAI議事録のルールを整備したい」「どのツールを選べばいいか」「医療・介護での個人情報対応に不安がある」という場合は、みかわAI学校を運営する合同会社ICHI.への個別相談をご利用ください。三河・愛知の事業者向けにオンライン・訪問どちらでも対応しています。

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タグ
#AI議事録#文字起こし#会議要約#個人情報#ChatGPT#Claude#NotebookLM#中小企業

MIKAWA AI PICKS編集部

三河・愛知の事業者がAIを業務に取り入れるための情報を、一次情報と実務視点をもとに編集しています。必要に応じて、運営元の合同会社ICHIが相談・研修・実装支援を行います。

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